なぜここにいるのか、とかそういうことはすっ飛ばして(いつか説明するとして)私はオーストリアのウィーン国際空港を目指して、なぜか中国で2回乗り換えるというなかなかの苦行をしている。
それが一番安かったから、といっても69000円もしたしギリギリまで航空券を予約していなかった自分が悪いとしか言いようがない。
思えばひとりで渡航するのは初めてだ。離陸をした瞬間は鳥肌がたった。それまで不安すぎてノイローゼ気味だったのが一気に無になって、窓の向こうに虹がかかっているのを見ると、なんだか安心した。
このままウィーンまで辿り着けるのか?日本に帰って来るのは一体いつになるのか?遠くなっていく日本列島を見下ろしながら、もう死ぬことさえも怖くないという精神が麻痺した状態だった。まあ、もし飛行機が墜落してこのまま死ぬとしても、前列に座っている角刈りパンチパーマのおっさん3人組も一緒だし、ひとりじゃないからいいや。
と気を落ち着かせていた。
青島では、保安員に中国語でまくし立てられバックパックひっくり返され(Kindleが検査にひっかっかった)だが無事に北京についた。北京にてキエフ行の便を待っている。中国人のムケ感はすごい。やはり自分は日本でしか生きていけねええ、とこぶしを握って飛行機を待つ。青島からここまで日本人を見ていない。ほぼ中国人しかいない。