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生きてると「◯◯ってことか!」の連続。

カオナシが好きなマドレーヌ

Facebookで部屋を探していたとき、マドレーヌという女性からメッセージがきた。なんでも彼女の息子さんが日本語を勉強していて、私にもぜひ息子さんを紹介したい!とのことである。そして、あなたはどこに住んでいるの?ブラチスラバのどこが好きなの?とメッセージ上で質問攻めだ。なんだか“関西のおばちゃん”みたいな雰囲気が英語のメッセージからでも感じとれる。

 

旧市街の中心地にある、有名なカフェで彼女と会う約束をした。私はてっきり息子も同席なのかと思っていたが、マドレーヌはひとりだった。彼女は私に、なんでも好きなケーキを食べなさいと言ってくれた。遠慮していたのだが、半ば無理矢理にケーキを注文してくれた。

 

彼女とのコミュニケーションは英語だが、お互いにかなりオーバーアクションで会話しているためか、多少わからなくても会話が成立していた。マドレーヌは、私のことをすごく心配してくれた。「こちらに頼れる人はいるの?」「ご両親にはちゃんと連絡をしている?」「病気になったり、何か困ったことがあったらなんでも言いなさい、私はあなたの母親のような気持ちよ!」と言っていた。

 

なぜここまで、見ず知らずの外国人に親身になってくれるのか、私は心強さと喜びで胸がいっぱいになった。マドレーヌもやはり、この街に日本人が住んでいるということに驚いて、私に連絡をしてくれたそうだ。

 

マドレーヌはジブリ映画のファンで、息子からもらったというカオナシのマスコットを、カバンをひっくり返して出してきて「ノーフェイス〜〜〜!」と言って私に見せてくれた。日本から遠く離れたこの地でジブリの話をできるなんて思ってもみなかった。こんな出会いも、ブラチスラバという小さな街だから起こりうることなのか。

 

マドレーヌの息子さんは今はワシントンにいるそうだが、帰ってきたら私に会わせてくれると言っていた。私はマドレーヌにもマドレーヌの息子さんにも宮崎駿にも感謝の気持ちでいっぱいになっていた。