スロバキアは8つの県(Kraj)で形成されていて、バンスカ・ビストリツァはその中でもいちばん広い面積をもつ県である。
先日からブラチスラバに来ているサラさんはバンスカ・ビストリツァにある大学に通っている。プログラムが終了し、故郷であるポーランドに帰るので寮の引き払いの為にバンスカ・ビストリツァに一時的に戻るそうだ。私はまだスロバキアの県はブラチスラバしか知らず、他の県も見てみたいので、サラさんと一緒にバンスカ・ビストリツァについていくことにした。
ブラチスラバからバンスカ・ビストリツァまではバスで3時間、わずか5ユーロで移動することができる。バンスカ・ビストリツァなんて何もないよ〜!とは言われていたけれど、実際に行ってみるととてものどかで綺麗な街だ。
中心地はブラチスラバ同様に中世の雰囲気の残る旧市街だけれど、ブラチスラバよりも広々としていて人影も少ない。
地元の人や大学生が多い街でありアジア人は珍しいのでかなり目立つし結構見られたりもする。でもスロバキア料理や中華料理のレストラン、お土産さんも並んでいて思っていたよりも観光地ぽい感じはした。ティーハウスでチャイを飲んで、夕食はピザを食べて宿へ。
宿と言っても、今回泊まるのはサラさんの大学の寮。通称Dorm(ドーム)。このドームは、夏の間は学生がいなくなるので(こちらの夏休みは3ヶ月)格安で旅行者に解放している。宿泊の手続きはホステルに泊まるよりも厳重でややこしかった。
部屋に入ってびっくりしたのが、4畳半くらいの部屋でベッドと机がありかなり狭かった。しかし1泊4ユーロなので文句は言えない。床にマットレスを敷いて寝かしてもらった。
翌日は、Donovalyというところへ行った。冬はスキー場として有名な地だけあって、バスを降りると、風はぐっと冷たくなった。
熊もいるらしい
山を登って振り返ると、嘘みたいな大自然で、時間を忘れてぼーっとしていた。結構登ったので、やっぱり日頃引きこもりなので、疲れるなあと思っていると、サラさんが日本語で「私は疲れた。引きこもり人生だからな」と言ってきてびっくりした。彼女の日本語の達者さには本当に驚かされる。
疲れたので山を降りてスロバキア料理のレストランでカプスニツァを食べた。カプスニツァはキャベツとかベーコンの入ったトマトの味のスープで酸っぱくて美味しい。でも喉が渇く料理だ。レストランの近くには小さな教会があり、中を除くことができてここで少し落ち着いた。
次の日は、中心地のレストランで日替わりランチを食べた。スロバキアに多い羊のチーズとポテトと野菜やきのこのグリル。シンプルですごく美味しかった。
大学の寮に泊まることができたり自然に癒やされたりして、バンスカ・ビストリツァでは貴重な経験をすることができた。それもこれもサラさんに出会えたおかげ。帰りはバス停まで見送ってくれて、一緒に過ごした1週間は本当に楽しかった!と言ってくれた。