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生きてると「◯◯ってことか!」の連続。

アイスランド行きの決定、美女の谷へ

寿司屋での怒涛の3日間を終えて、最終日の夜、まかないの大量の寿司を持って宿に帰ってくると、何人かの旅人さんたちが共有スペースに集まっていた。

私が寿司をみんなに振る舞うと(私が握ったわけではない)ひとりの男性が「アイスランド興味ある?」と声をかけてきた。

 

アイスランドにはなんの知識もなかったが、営業時代からのくせで初対面の相手に否定的な発言ができない私は「よく知らんけど行ってみたいです!」とノリノリの回答。

旅人「じゃあ、決定なー!ちょうどメンバー募集しててん!」

 

というわけで、アイスランド一周旅行への参加が決定した。ちなみにメンバーは8人で、この宿に泊まっている私を含めた5人と現地で初対面となる3人の、合計8人である。全く実感も湧いていなかったが、行き先もメンバーもよくわからないというこの未知すぎる設定に内心テンアゲである。

 

しかし日本から、Tシャツ、ジーパンくらいしか持ってきていないので、防寒具から集めなければいけないし一ヶ月後に迫っているアイスランド行きの航空券を買ったりと、準備はなかなか大変だ。

 

めんどくさいことは、後回しという性分なので、準備はハンガリーを満喫し終わってからにしようと決め、宿を適当に延泊、ブタペスト内の温泉をめぐる日々が始まる。と、予定していたのだが、またしても予習不足であった。

 

ブタペストの温泉の料金は2000円〜4000円くらいする。てっきり日本の銭湯を思い浮かべていた私は6つくらい周ってやろうと思っていたのだが、破産寸前なのでキラーイ温泉とルカーチ温泉のふたつに絞ることにした。キラーイ温泉は廃墟感満載で、またゲイの方の社交場にもなっているというなかなか興味深いスポットであった。ルカーチ温泉は温泉というよりプール感があって、これはひとりで来るとこじゃねえな、と一瞬思ったが、誰もいない屋上で4時間くらい爆睡できて大満足。ハンガリーの温泉に関しては下記のリンクでも見ると雰囲気がつかめるであろう。

 

g.tripadvisor.jp

 

温泉にも飽きた頃、そろそろブラチスラバに戻るか、他の国へ移動するかと迷っていた。そこへアンダンテホステルに私と同じ年(26)の女の子がやってきた。彼女もまたひとりでヨーロッパを周遊しているとのことで、何だかわからないが妙に親近感の湧く人だった。また同時期に宿に滞在していた二十歳(ハタチ)の男の子2人と一緒にハンガリーのエゲルという地域にワインを飲みまくれるところがあるらしい、ということで、ある朝、たまたま居合わせた4人は即決してそこへ行くことにした。

 

エゲルはブタペストからバスで一時間ほど。この地は、別名『美女の谷』とも呼ばれている。ワインを飲んで酔っ払いすぎて美女じゃない人も美女に見えるからそう呼ばれるようになった、と誰かが説明していたが諸説あり。

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こんな感じのワイン蔵が50軒くらい軒を連らねている。

 

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蔵とBARが一体化している店がほとんど。

 

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試飲もし放題

 

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こわい

 

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こわい

 

昼過ぎにエゲルに到着した私だちだったが、結局この日、ブタペストへ戻る最終のバスの時間までワインを飲み続け、帰る頃には全員へべれけだった。ほぼ全部の蔵で試飲をしたけど、中でも印象に残っているのは最後に立ち寄った、ファンキーなおばあさんが営む蔵である。そこでは、なんと樽からおばあさんが吸い上げてくれたワインを直接口に入れてくれるという鮮度とサービス精神に溢れたパフォーマンスも見ることができる。

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吸い上げ、

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そのまま口へ

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ペットボトルにワインを入れてくれる。

 

ワインを購入する際には、持参した容器に入れてもらうと安い。それでなくても相当安い。たしか2リットルで800円とかで味もかなり美味しい。

 

正直私はそんなにワインは好きではないし、ものの違いもよくわからなかったがいっしょに行った人たちが、ワイン好きだったのでそれにつられて大量の種類のワインを飲み、自分の好みや味の違いをなんとなく知ることができた。そして何より、それぞれひとり旅の途中で偶然居合わせた4人が、各々の旅路を語りながら外で酒を飲むなんてのもなかなかできないことだった。

 

宿に戻り、すっかり忘れていたフォアグラで夕食をつくりみんなでテーブルを囲んだ。が、酔っ払っていて写真を撮るのを忘れた。

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こちらはとある日のマンガリッツァ豚。金子さんが作ってくれた。

 

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とある日の朝食。

 

アンダンテホステルのおかげで心身ともに癒されるばかりか、たまたま出会った旅人たちとの忘れがたい思い出までできた。日本人宿とブタペストの夜景に感謝。続けてスロベニア、クロアチアまで行こうとしていたが、アイスランド行きが決定したこともあり、次の日にはスロバキアに戻ることにした。

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