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生きてると「◯◯ってことか!」の連続。

旅と日常の行き来

スロバキアに友達が遊びに来たことはまだ一度もなかったが、ブタペストで出会い、エゲルでいっしょにワイン三昧をした同い年の友達が、急遽スロバキアに遊びに来ることになった。

 

彼女はひとりでヨーロッパを周遊中であり、スロバキアに行く予定はなかったが、私に会いにわざわざ来てくれるというのだ。早速家主のピーターにお願いして、私の家に泊まってもらうことにした。

 

ブラチスラバの中央駅に迎えに行き、一日ぶりに再会した彼女を見て驚いた。片腕が包帯でぐるぐる巻きになっていて、なんとも痛々しい姿。聞けば私がホステルを出た夜、宿泊していた何人かで飲み会があり、泥酔して寄りかかった壁の鏡が割れて腕を10針程縫ったらしい。(もう一泊しとけば良かった!)

 

そんなクレイジーな彼女だが、海外旅行すら人生で初めてと聞いてさらに驚いた。まだあと一ヶ月程旅を続ける予定なので、行先の国の病院に行って診察や抜糸などしていくらしい。(私なんてスロバキアの病院にすら行ったことないのに…なんて勇敢なんだ。)そんな傷を抱えながらも、ブラチスラバの夜もまた大いに飲んだ。そして翌日には、ウィーンの病院に行くといって一瞬にして去っていった。

 

旅先で時々出会う人達は、みんな怖いもの知らずで、好きなことや楽しいことに貪欲で、他人に優しい。いっしょに過ごした時間は少しだけど、また日本でも会おう、と言って別れる。それは本当にまた、会いたいなと思うし、きっと本当に会うと思う人ばかりだ。

 

旅の醍醐味は、人との出会いだと思っている。日本を出る前、私も本当は、ひとり旅というスタイルで、色んな国に行きたかった。行った先で色んな人に出会ってみたかったからだ。しかし、それと同じくらいに、知らない国の知らない文化に深く触れて“生活”をしてみたかったのもある。

 

その結果、スロバキアというヨーロッパ大陸の中央に位置する国で、生活をおくりながら、そのアクセスの良さを利用して周辺国を旅して周ったりもする、という一番貪欲なスタイルに辿り着いてしまった。

 

我ながら最良の選択肢だと思う(ようにしている)。

 旅に出れば、日本では出会えないような人々に出会えて刺激的だし、ブラチスラバに帰ってくればほっとするし、暖かく出迎えてくれる人もいる。お金がなくなればバイト先だってある。たった一年だからこそ好きなだけ好きなことをできる、ワーキングホリデービザの最も有効的な使い方だ。 

 

何もかもが嫌で、逃げた先に、何かあれば、と思って生きてきたけど、多少の勇気を出せば、こうやって新しい世界を知ることができるのだと、旅にでて、日常に戻る都度、そう沁み沁みと実感する。