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生きてると「◯◯ってことか!」の連続。

三位一体教会

船の上で予約したドミトリーへ向かって歩く。共同宿というのは、私にとっては全くの未知である。男女混合複数の人間が同じ部屋で寝る、、、物を盗られたりとかいじめられたりするんじゃないかと、かなり不安になりながら歩いていた。

 

 

チェックインまでにはまだ時間があり、ベンチに重い荷物を下ろす。ブラチスラバはベンチが多い。すぐ疲れる私にとってはこんなありがたいことはないのでそんな点でもこの街が好きだ。

 

ひとしきり休み、歩き出そうとすると目の前に大きな教会が現れる。扉が空いているので中の様子を伺うと教会のスタッフらしきおじいさんが、「さあさあよく来た、どこの国からきたの?」と手を引くように中へ案内してくれた。日本人だというと「ゆっくり見て行ってね」と満面の笑顔で日本語の説明の書かれた紙を持たせてくれた。

 

紙には、“三位一体教会”とある。聖堂の中は涼しく、数名の人が祈りを捧げていてとても神聖な空間だった。私は教会が好きだ、祈っている人の後ろ姿にはいつも胸を打たれる。人が誰かや何かの為に祈るということほど尊いことはない。

 

気づけば1時間くらいここにいた気がする。私自身も、日本にいる家族や大切な人たちへの感謝と平和をお祈りし、三位一体教会を出ようとすると、先ほどのおじいさんが追いかけて来た。私の手に、何かを握らせてくれた。金色に輝く不思議のメダイである。

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ひとりで心細かったのが、不思議と少し前向きな気持ちになった。私はおじいさんにお礼を言い、それを握りしめて、ドミトリーに向かって歩き出した。